《テレワークによる生活の変化》
これまでは銀行に金を下ろしに行くのも、医者に行くのも、会社のオフィスビルに入っている医者や銀行で済んだし、買い物も会社帰りに駅の近くのスーパーに寄っていたなどしていたわけですが、新型コロナの影響で在宅勤務となると、どこに行くにも家から2〜5qほど離れた場所に行かないといけなく、自転車で行くには微妙な距離で、とはいえ、わざわざ大型バイクで行くのも出すのが億劫、しかも行った先でバイク置き場が無いとか、125tしか止められないとか、結構不便を感じる事が多くなっていました。
で、下駄代わりのバイクを買うことにしました。とはいえ50tでは心細く、狙いは小型二輪。普通に考えればスクーターが王道でしょう。荷物は運べるし、それなりに速いし、二人乗りもできる。でもね、やっぱり利便性だけでなく、乗っている時の面白さも追求したいとマニュアル選択。候補に上がったのが
CT125ハンターカブ
グロム2021年モデル
グロム旧型
Z125Pro
モンキー125
クロスカブ でした。
ところが同じタイミングで娘が新しい自転車を買うことになり、駐車スペースが狭くなるので、カブ系は却下、よりコンパクトなZ125とグロムの新旧対決となりました。(モンキーは二人乗りできないので早い内に却下。でもそれ考えなければモンキーだったかも)
ここ昨今の半導体不足とかなんとかで納車に数か月待ちなんて事も多い中、グロム新型が即納との情報。旧型グロムの方がデザインは好きなのですが中古にして35〜40万円の価格。数万円の違いで新車が買えるなら新車で良いかとグロムJC92型にしました。(結局それが正解だったかも。(後述))
ホンダの125ccラインナップは様々ですが、人気順で言うとCT125、モンキー、グロムの順なんだろうと勝手に思っています。それ故に在庫もあったのだろうと思います。色は銀と黒の二種類どちらも選べましたが黒にしました。銀はあの蛍光イエロー●が受け入れられず、でも後付けて蛍光イエローの部分を代えられるアフターパーツも出ているので、それなら銀でも良かったかもしれません。因みに黒と銀では銀の方が1万円安かったです。
整備代や自賠責保険、ナンバー登録は依頼して(8,800円)結局39万4500円となりました。2022年1月現在、モンキーやCT125
が50万円になっている(即納できる中古車の方が高い(笑))ことを考えると、即納だったし、まあ良いかと言う気分で購入は終えました。
旧型にしないで良かったのはデザインさえ我慢すれば(笑)5速ミッション、フラットシート、リアサス改善、シフトインジケーター設置でしょうか。やはり新型は前モデルの改善点を反映しているわけで、旧型を知らないのでもっと細かい所で良くなったポイントもあるのでしょう。
《感想をつらつら》
慣らしが完了したのでインプレを述べていきたいと思います。500qまでは5000rpm、750qまでは6000rpm、1000qまでは7000rpm縛りでやりました。500qで一度オイルを交換しています。
因みに私は他にVストローム1050XT W650を所有しており、グロムはサードバイクに位置付けられますが、後ほど述べますがW650を凌駕する活躍ぶりを発揮していると感じています。
●走り始め
走行200qくらいで入りにくかったニュートラルが入りだすようになり、300q越えたあたりから4,000rpm付近からの吹け上りが良くなり、スピードが落ちずに5速に気持ち良く繋がるようになっていきました。5速5,000rpmで約75q/hと車の流れに乗るには十分な速度が出ます。7,000rpmくらいで90q/h越える夢を見ました。とは言え原付2種、1〜3速までは気を抜いたアクセルワークをすると、ちょっと急ぎ気味の車にあおられることになるのでこの辺は気を使います。これまで(もう少し速く走ってくれないかな)と思っていたトラックたちが「良き友達」となり、この後ろについて走れば後からもあおられずに適度な速度で走れるようになります。
●乗り味など
誤解を恐れずに言うと、5速4500rpm以上で60〜70q/h辺りで走行していると、アクセルを開閉する時に聞こえるエキゾーストノート+エンジン音が且つて乗っていたBMWのR1200GS、つまりはボクサーエンジンに近い音(の半分くらい)を奏でます。音だけならマフラー替えなくてもイイのではと思っています。
「振動がある」と言う人もいますが、当ホームページの表紙を見てもらえるとわかるように、振動のあるバイクばかり乗ってきたのでまったく気にならないというか、無いとバイクに乗っている気がしません。グロムの振動は程良く気持ちの良いレベルであります。同時所有のW650は40〜70q/hあたりの乗り味が楽しくてもう20年所有していますが、グロムはスピード乗った後はそれに近い乗り味が楽しめます。アクセルを閉じてもガクンと速度が落ちることなく、グライドしていく感覚もあり、乗っていて気持ちが良い。クラッチも軽く、シフトアップダウンが多いこのバイクですが左手が疲れるようなことはありません。
5速化は既に多くのサイトで語られているようにメリットしかありません。リアブレーキも特に不満無く効きます。リアサスも今のところは仕事していると思います。タイヤは小さいし、軸間も短いので、ハンドルが落ち着かないかなと思っていましたが、まったくそんな事はなく、直進もピターッとしていますね。そして普通のバイクと変わらぬ二―グリップができるタンク部分。モンキーやハンターカブではできませんので、コーナ―リングやゴーストップの安定性にも一役買いそうですね。
●ポジション・取り回し
上記の通り身長175p、体重70s、股下人並みな私ですが、ポジションがきつい印象はありません。膝も曲がり過ぎず、車体の何処かが体に当たるようなこともなく、自然な二―グリップがとれて上体はほぼ直立した姿勢。足つきはベタベタです。身長160pくらいまでの人なら踵まで着くのではないだろうか。
取り回しは100s程度ですのでもう自由自在。押し歩けば「歩行者扱い」になりますから、一方通行やUターン禁止道路などは押し歩いてやり過ごすこともできます。
●燃費
燃費の良さはすばらしいですね。リッター65q/hは普通に行きます。ハイオク180円のこの時期(2022年1月)ありがたいことです。慣らし1000qという距離をVストロームで走れば約9,000円、W650だと7,200円、そしてグロムは2,769円。これで走りにすごい不満があるならともかく、普通に走ってしまうのですから驚きです。慣らし後半は少し回し気味に走りましたが、それでもリッター60q。満タンで360q走れる計算になります。300q越えたあたりで補給します。
〈追記〉
気温が高くなると燃費が良くなるようで、初夏に信号の少ない県道(町道?)中心にのんびり流したら、70q/Lを記録。もはや燃費オバケです。近年、超ゆっくり走るのは良いとして、自分が道路を数珠繋ぎにさせていることまで気がつかない車が増えている中、この流れに大型バイクで走っていると、同じ走りで大型は20q/L、グロムは60q/Lの関係に考えさせられてしまいます。
●街乗り
小回りが利き、どこでも駐車できるコンパクト感などなど、そもそも街乗り用に購入したものの、100q以内のチョイ乗りツーリング程度までならW650
から交代しようと思っています。(W650は12万q越えなので、これ以上街乗り用途で距離を増やしたくないこともあり)
ミラーの高さが車のドアミラーより下になるので、大型では接触を気にしていたすり抜けも楽にできます。一方で視点位置が低いゆえにミラーに映る車のライトがまぶしく目に入ります。これはしょうがないですね。
これまで街中を走っていて、歩行者や自転車が道を横切ろうとして私(バイク)に気がつくと、ちょっと立ち止まっていたのが、グロムだと気にせずにどんどん横切られます(笑)。また、渋滞した道をすり抜けし、信号の先頭に立った時の直後の車にも気を使いますね。特に軽の白か銀のワゴン。おっさんが乗っているのは注意です。ゆったりスタートするとガンガンあおってきます。一見インテリっぽい人がよく乗っている白い外車セダンも危険です。。。ストレス溜まっているのか横ギリギリをかすめて抜いていきます。そういう走り方するならヤンチャ系の車に乗ってください。わかりやすいので。ちょっと腹立ちますね。グロムに限らず、”小さいバイクはナメられる” 久しぶりに小型に乗って忘れかけていた事を思い出しました。いつの時代もこれは変わりませんね。モンキーやハンターカブ乗りは流れの速いバイパスでは道を譲る方が多いようですが、グロムって60q/hに到達するまでアクセルをしっかり開けてシフトアップを素早く行えば道を譲らずに済ませられる加速はできます。逆にこれが「譲るか譲らないか」の割り切りがしにくい中途半端な速さなのかもしれませんが。
5000q走行しての追記
グロムに限ればリッター60qを切らない高燃費にアクセル全開をためらう(燃費的に)必要はありません。かつては加速遅いしと、わざわざ車の前に出てまで信号待ちするのを控えていたのですが、最近は前に出て、ワイドオープンに発進すれば、あおられることもなく先行できることに気が付きました。
また、コンパクト&軽量は止めた後も楽。ラーメン屋の店先とか駐車スペースなくてもちょろっと止められます。車道から歩道に乗り上げる際、20p位の段差は持ち上げて乗り越えられます。スーパーカブと同様で街中の何処に止めようと、うるさく文句が言われない風景との溶け込み具合、目障り感の薄さはメリットです。都心はホントにバイクを止められるところがないので、グロムは重宝します。
●峠道
勾配のきつい上りはやはり厳しい。3速では吹け上がり、4速にすると回転が上がらないという小排気量車の宿命。勾配5%辺りが鬼門かと。一方下りは加速感も不満なく、軽い車体でヒラヒラとコーナーリングが楽しめます。Rのキツイ舗装林道は大型バイクより速く抜けられます。タイヤもダンロップT93GPに換装しており、安定した走行を楽しめます。
総じてグロムでの峠道は大型バイクのようなスピードは出ませんが、出なくても同じくらいの「楽しい感」はあるので、それなりに満足できると思いますよ。
●不満点
良い事だけでなく、ちょっと不満な点もあげておきましょうか。
・ノーマルミラーは後が見えない ←速攻で交換しました。
・ウィンカースイッチとホーンボタンの配列がどのバイクとも逆。なんでだろう。グロムだけ?ホンダだけ?いつも間違える。
・カスタムしやすいように外装パーツも外しやすいようにしたらしい ←今のところ換えたくなるような外装パーツは出ていません。多分今後も出てこない気がする。
・駐車するとかなり傾き、場所を取る ←軽い車体ゆえか、かなり傾かせるサイドスタンド。センタースタンドが欲しい。
・取り回しでバイクを掴む場所がない ←タンデムバーとかないので。近々リアキャリアをつけるので解消するかと。(←解消しました)
・やはり坂道は力不足 ←125だからしょうがない話です。が、これにより「峠ツーリングは他の二台を使用する」と住みわけがハッキリして逆に良かったです。
・メーターについている表示切替えボタンが硬い。使い勝手が悪い。使うたびにストレス。使っている内に柔らかくなるのか。
・リアシートが外しにくい。 ←日本製じゃないので、精度を求めてはいかんのか・・・。
・そしてやっぱり・・・デザインがいまいち(笑)。 ←初代、二代目の方がかっこいい。二代目の5速化で良かったのに。(ごめんなグロム)
《おまけ》
先日片道150qのツーリングに出かけましたが、125で行けるのか?とドキドキしていました。この感覚はバイクに乗り始めたばかりの頃、50tで伊豆に行った頃に似ています。小さな冒険心が湧くというか。あえてそういう感覚を楽しむのもありですね。(結果は余裕で行けてしまいました)それと10馬力しかないバイクなので何かの抵抗があれば即、走りに影響します。風の抵抗、オイルの摩擦度合い、積んでいる荷物の重さなど。隼のように200馬力あれば馬力でごまかせるのですが、10馬力ではそうもいきませんね。
当初ハンターカブから検討を始めて上記のように候補を上げていったわけですが、125tの世界についてはあまりよく知りませんで、グロムを買ってから気がついたのは外車に目を向けていなかったなと。特にベネリTNT125なんかは盲点でしたね。「うわっ失敗した。こっちの方が安いしカッコいい」と思って調べたところ、最高速はどっこいで、車重と燃費はグロムの勝ちのようで、今はちょっと安心しています。
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