XL1200R
1.The circumstances to purchase
いつものことながら楽しくて苦シイのがバイク購入。特に下取りで購入なんていうとバイクに情が移っているせいか、もう1時間単位で「やっぱ買うのやめた」&「やっぱ買う」の悶絶状態。
長文ですがまあ読んでやってくださいオヤジの葛藤。あなたも似たようなもんでしょ。
■プロローグ;2年でお別れR1150GS
GSを購入して最初の車検を迎えた。この2年間で感じたのはR1150GSは世界最強のツーリングバイクだが日本最強ではなかったということ。いや東京居住では最強を感じられなかったと言い換えた方が良かろうか。高速120km/h巡行程度ではカウルに束ねられた風がメットや肩にあたり音と圧で不快であること。高速に入るまでには当然下道を使うわけだが、混雑した下道では幅のあるハンドル故にすり抜けもままならず原付に煽られる始末。ツーリング帰りに渋滞にハマッた日には疲れないバイクも疲労の塊となった。260kg超の車重と19インチのフロントタイヤは林道では思っていた以上にてこずり、走れこそすれ攻めるまでには至らない。また林道自体も東京周辺はますます舗装化と通行止めが進み、走れるラフロードは数える程になっていた。加えて高速代をけちって下道ばかりとか、家を空けられずに日帰りばかりとか、そういう使い方をしているとR1150GSの良さはどんどん死んでいくのである。R1150GSは走れるステージは多岐だが、自分にとって楽しめるステージは結構少ないことに気づくのに時間はかからなかった。買うことも維持することもできる。しかし楽しむにはもっと走れる時間とバイクに費やせる自由な金が必要であり、それは子持ちサラリーマンにとって10年先の話になりそうである。10年この状態を我慢して乗り続けるか・・・答えはNOであった。R1150GSは良いバイクだが手放すことに決めた。
■W650に乗って気づく 流して楽しいバイクこそ俺的バイク
R1150GSより先にW650を所有していた。このバイクは適度な振動と音(規制値対応マフラー交換)、トルク感を持ち、乗っているだけで楽しくなるバイクである。しかも3.5万キロ走行時点で故障なし、燃費良好、回せばそこそこ速い(180km/hOVER)し、林道も自分がR1150GSで行けるレベルは行けてしまうのである。Buellの頃に薄々感じていたのだが、2気筒ゆえにもたらされる感性や性能・特徴が好きなのだ俺は。それを明確にしてくれたのがW650である。(同じ2気筒のR1150GSにそれを感じなかったのは不思議。やはりどこか違ったのである)だが、W650に乗り続けているうちにもう少し車格とパワーがあったらなぁ・・。とも思いはじめていた。街乗りにはもうこれで十分である。でもツーリングというハレの時間ではもう少しハッタリも欲しいのである。
「W900出ないかなぁ・・・」W650のコンセプトはそのままにもう少し、あともう少しで良いから車格とパワーがあればとの思いで2005年東京モーターショーを待った・・が出なかった。逆にW400が出るという噂が流れ、あきらめた私は今売られているバイクの中でW900に代わりうるバイクを探すことにした。
■EVO再び。XL1200Rへ
上述の通りR1150GSを手放す気にはなっていた。下取りすれば90万は下るまいと皮算用。(結局72万円。つくづく世間は自分の思い通りにはならない)お目当てのバイクを探したが、果たしてそのバイクはあっけなく現れた。スポーツスターXL1200Rである。
ご存知のように2004年からビッグマイナーチェンジ(何だこの表現)が行われ、スポーツ色からツーリング色へその色が濃くなったバイクである。その事を各種雑誌では批判賛同まぜまぜで評価していたが、私は賛同側である。暴れたければBuell、もっと突き詰めれば国産レプリカでイイジャンと思う私には、なぜこの時代にスポーツスターに攻めの姿勢を求めるのか、また、高い金払ってキャブ、マフラー、ステップ、サスなどを交換して、スポーツスターの形をした国産レプリカにするのか疑問に映る。「スポーツと冠が付く以上スポーツでなければならないのだ。」と諸兄は言うかもしれないが、それは「少年隊」や「ビーチボーイズ」に同じクレームをつけているようなものである。かつて「スポーツ」であったことを名に残し、今と言う時代にその「かつて」を楽しむ。それで良いのではないか?それでも諸兄は突き進む。もしかしたら俺も??もはやこれは男のロマンであるとしか言いようが無い。
話はそれたが音・振動・車格・パワー・スタイル、ついでに言えばキャストホイールになってパンク修理も楽になるなどW650のもう一回りグレードアップ=W900にかなりイメージ近いバイクと思う。反面故障しやすいという不安は増えるわけだけが・・・。
「ハーレーはすぐ壊れると言われるが最近のはそんなことない」とハーレー関係者は力説する。これは正しいがもっと正確に言うなら「ハーレーはすぐ壊れると言われるが最近のはすぐには壊れない」である。2年保証になったので少しは安心か。とにかくまたもEVOに跨る。やっぱなにか魅力があるのだ。
■ショップめぐりと契約さて、そうと決まれば早速ショップめぐり。私の家は10km圏内に正規契約店2店とLTR1店が位置しており、加えて言えばハーレー系カスタムショップも点在(最近有名な店が引っ越してしまったが)と実はハーレー乗るのに恵まれた地域なのである。各店のホームページを見ると当然ビッグツイン系の新車・中古車も目に入り、一瞬「FXDLかっこいいじゃん・・・。」との迷いも入った。スポスタからすぐにビッグツインに乗り換える人は少なくはない。「どうせビッグツインに行くんだから最初から買った方が手っ取り早い」的な掲示板も散見する。家から一番近くの正規契約店に2002年モデルの中古FXDLが置いてあるので、ちょっと見に行くかいとショップに向かった。
○1店目:2005年12月上旬
ショップに着いたら店員がお目当てのFXDLを洗車していた。どうやら私が電話するまでは放置していた車両のようだ。錆が多くバッテリーも上がっており充電中。こんな状態のままでホームページに「売り」で載せて良いのであろうか。店員はしきりにアイドリング状態でゆさゆさ揺れるエンジンをアピールしていたが、これで「スゲーッ!買います買います」となるにはちょっと年取りすぎた。テンションも失せ渋い顔しているともう一台のFXDLを見せてくれた。それは店の裏にあり野ざらし状態・・雨が降ってきてより悲惨な印象を受けた。その間R1150GSの下取り見積をお願いしていたのだが、私が途中から渋い顔をし始めた途端に見積もりするのをやめたようで「会社の上の者と相談し折り返し連絡します」と言われソフトに追い出された。雨降りの青梅街道。この店からはその後連絡は無い。○2店目:2005年12月23日
2店目はXL1200RとFXDの試乗車が置いてあり、04モデルは既に夏に試乗済み。今回06モデルの試乗車が入ってきたので再訪。やっぱXL1200Rがいいなと少し冷静になってきた(というか、ビッグツイン買ったら渋滞でR1150GSの二の舞じゃんと気づいた。)が、試乗するより先に実車見てその思いは確定した。ミラージュオレンジカッコイイ・・。試乗車はミラージュオレンジ、ハンドルがショートタイプに、マフラーはデイトナ製に換えられていた。試乗ルートはやや渋滞だったもののスラスラとすり抜けもでき、家まで乗っていきカミサンに見せたら「色も良いんじゃない?」とのコメントを受け、30分の試乗を終えた。その間に見積もりをしていてくれてR1150GSに70万円の査定が出た。査定額を出してもらったのはここが初めてだったが、期待値より低かったため、(いえ、今思えば真っ当な額でしょう)少しショックを受けつつ店を後にした。この店の店長さん・店員さんは非常に感じが良く、ここでお世話になるのもやぶさかではなかったのだが、まあ家の近くにもう一店あるし、ここで査定出してもらってからでも遅くないと次の日残るもう一つの店に行くことにした。もう年末である。他にやることいっぱいあるのに何やってんでしょうか俺は。○3店目:2005年12月24日
行く前に住民票とハンコ、車検証を準備。査定額、それとショップが好印象であれば速攻で決めるぞという姿勢で臨んだ。ノリとしては「スポーツスター下さい。つきましては下取り車の査定をお願いします」である。いきなりやってきて下取り車はR1150GS、買うのはスポーツスターというのは通常の購買パターンにはないのでしょう、そこの社長さんはBMWに乗られていた経験があり、全然違う世界になっちゃうけど良いのか?と心配してくれたが、(こういう親身なところが大事)W650に乗っていてその辺の世界は見えていると伝え安心してもらった。査定額は72万円。家からの距離なども考え、2店目のショップにはスイマセンがこちらのショップにお世話になることにした。クリスマスイブの夜であった。
■エピローグショップめぐりは家族で行ったのだけど商談の間店員さんが子供らと遊んでくれて、親しみを感じます。BMWは子供らが来てもジーッと見ているのみで、「バイクに触らないようにね」と目から光線がでています。良い悪いではなくディーラーそれぞれの姿勢と受け取ります。ハーレーは家族であり、BMWはストイックとか「個」がテーマなのでしょう。「ライバル=自分」とか言いながらビジネススーツからライディングスーツに早や変わりなんて世界が似合ってます。その横に鼻たらした子供が立っていてはいけないのです。国産は多様で限定できませんが・・。そういう意味でも今のライフスタイルにある自分はやっぱハーレーがあっているのかも知れません。
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