自己弁護コーナー:R1200GSに換えた訳
て・・てめえ2年半で切るか普通・・・(ローキン)
「こんな感じだったっけ・・・」ローキンを下取りに出すためにほぼノーマル状態に戻し、BMWディーラーに向かうべく数百メートル走った時の印象である。静か過ぎる排気音、少しダルさを感じさせる初速、重い足取り・・・買った頃はそんなに気にならなかったものだが、2年半の月日の中で不満が出てはカスタムし、それなりに満足の行く状態にしてきた努力と金は、一気にノーマルに戻したローキンに乗った時、無駄では無かったんだなとしみじみ思った。 正直まったりと走ることができない性格のようである。ハーレーに乗って良く解った。静岡県の大井川鉄道でSLに乗った時、スピードは出ないものの、蒸気音や振動、金属の触れあう音と共に力強く進む姿に感動し、ハーレーと重ね、もはや俺はスピードよりもテイストだと確信し、スポーツスター、ロードキングと駒を進めたが、しばらく走っているうちに、結局のんびり走ることに飽きてしまったのである。チマチマとサブコン入れたりマフラーやエアクリ変え、試すように峠や高速走ったりとしてきたが、まあ伸びしろは見えはじめていた。ローキン相手に何やってんだと、まったりスタンスに戻り、クロームパーツなどでドレスアップしたりして正しい?ハーレーカスタムの方向へ進もうとする俺がいた。ドレスアップ・・・何かバイクとの付き合い方が違う方向に進みだしている。何やってんだろう俺…。 別な俺が「このまんまでお前のバイク人生終わり?」とささやきはじめたのは売却する2か月前のことである。 悩み出すと面白いものでこれまで特段気にしていなかったものが、俺に道を開こうとするかのごとく光を放ちだす。何かにすがりつきたい気持ちがそうさせるのだろうか、最初は「FREERIDE」という雑誌が本屋で光を放っていた。この雑誌は存在は知っていたけど手に取ることさえしなかった。たまたま通勤の暇つぶしに雑誌を探していて光が見えて買ってしまった。また、富士山麓朝霧高原をローキンで走っていると、幹線道路から外れて続く大小のラフロードが光っていた。思わず入り込もうと思ったのだが、車重と車高を考えてあきらめた。ちょっとした未舗装路でも入るのに躊躇してしまうのが実にもったいなく感じた。もとはオフ車でバイクの楽しさを覚えた俺である。舗装路だけを辿っては見ることのできないたくさんの景色にまた会いたいという気持ちが高まっていった。 とは言え、ではヤマハWR250RやKTMかというとそういう訳ではない。基本はツーリンガーであり積載性や高速道路での巡航性、航続性はマスト。それに加え、その気になればのダッシュ力も求めたい。当初はF800GS・Buellユリシスを検討していた。資金繰り上ローキンを下取りに出せばほぼ等価交換できると思っていたのだ。しかし二児の父である身としては、やがてタンデムでキャンプ旅に子供を連れ出したいという夢を抱いており、間違いなくタンデムも考えて設計されてきたR1200GSも心の中では候補に上がっていた。しかし予算的に実に厳しい。「どのバイクにするべきか」1時間ごとに買うバイクが頭の中でぐるぐる変わり、夜も眠れぬ悶絶状態へ。それを見かねついに神が 降臨。「足りない分はどうにかしてあげるからR−GSにしたら」おおっ、出た・・・。「これでいいのか俺。このごくつぶしが」と思いつつ口元はニヤリ。 スポスタの前はR1150GSに乗っていたが、すり抜けできない車幅や高速走ってなんぼのエンジン特性、林道での取り回しの重さに辟易して手放したのだ。しかしここ3,4年ですり抜けできずにイライラする感情はローキンでかなり鍛えられた。ETC導入により高速道路を安くガンガン走れるようにもなった。そして車重が軽くなり林道でも扱いやすくなった(今は林道を飛ばせなくても走れさえすれば良し)など、R1200GSに再び跨ることへの抵抗は無くなっていた。・・・もう一度R−GSへ。これまで乗ってきたバイクで10年乗り続けたのが1台、8年乗り続けたのが2台ある。その時の自分の使い方や感覚にマッチしていれば長く乗るのだ俺は。 ここんトコどうにも長続きしないバイクが続いたが、今度こその思いでいる四十数回目の夏。果たして・・・ ←バカ |