2024年型 CB650R E-Clutch インプレッション

いきなりスクリーン付けているし・・・


>>パーツ交換、メンテ記録はこちら

コメントは下記のような男の視点で書いております。ご参考まで。

ライダースペック

身長175cm 体重70kg 股下78cm 握力左右50kg ’83年原付免許取得 ’92年限定解除

近年のバイク

2019・2017 Vstrom1050・1000XT  13 ハヤブサ 09R1200GS  07ロードキング 02W650    

メンテナンス度

オイル交換、ブレーキパッド・マフラー交換程度。

走り方

お散歩:空いた早朝の都心部や郊外の大きな道路を1〜2時間流す
ツ−リング:高速5割、下道5割の日帰りツーリング。峠は8割の気合で流す。



《購入理由:カワサキのW650のパーツリスト閉鎖》

 やんごとなき理由で車購入の為、Vストローム1050を売却しW650が主力機となっていたが、2024年、ついにカワサキ・モータースジャパンはW650のパーツリストページを閉鎖してくれまして(泣)、22年と7ヶ月付き合ってきたこのバイクも今後の故障や、パーツの入手困難&高価格化に悩まされるのかと思われ、XSR125ばかり乗ってW650は走り控えなどという残念なバイクライフを送りかけていた。このままではいかんと思い切ってW650を買い替えることに決めました。
候補車は
・カワサキ Z900RS及びカフェ
・カワサキ Z650RS
・ホンダ レブル1100
・ホンダ CB650R E-Clutch の4台。

いつものように試乗レビュー、ユーザーインプレ、スペック、燃費、家からディーラーへの距離など、細かいところまで比べて比べて最終的にはCB650R E-Clutchに決定。決定打はE-Clutchと走行スペック、デザイン、それと購入後の自分仕様への調整費用のかかり具合、他人との被り具合だろうか。それとこれまでホンダの大型車に乗ったことが無く、ディーラーが近いので「ホンダにするかぁ」という思いもあった。

● E-Clutch:ツーリングの帰りはいつも都心渋滞に巻き込まれ、ノロノロ運転。ここで疲労を感じていたのを無くしたい
● スペック:イイ歳だが、最低でも100馬力前後はまだ欲しい。峠走るにブレーキやタイヤもそれなりの質は求めたい。
● デザイン:個人の好みだが、タンク形状、カラー、丸目状ライトなど文句なし。
● ディメンション:シート高や厚さ、ハンドル幅や高さなど、最近すっかり日本人体型を無視したバイクが多い中、ほぼ調整不要(もうこうした調整に金と時間をかけたくない)。リアシートも幅があり積載性良好。サイズや車重も取り回ししやすく、Vストローム(大変良いバイクだったが)のように構えて乗ることもなく気軽に乗れる。
● その他:隼以来久し振りの四発。 燃費良好。 ディーラーが家から近く、W650の下取り価格がカワサキプラザと変わらなかった。 等
 


《E-Clutchについて》

結論から言うとおすすめの機構である。試乗動画でE-Clutch紹介があるが、「慣れねー」とか「またクラッチ握っちゃった」とかネタで終わってしまい、見る人によってはネガな印象を持つかもしれないが、1000qも乗れば慣れるのと自分なりの使い方ができるので問題ない。やりたければクラッチ操作もできるし、前述した渋滞ノロノロ時にはクラッチ操作しなくて楽に走れるので+5万円で付けるに十分な価値がある。

シフトアップはアクセル開度固定のままでもスムーズにやれる。速いし楽。中型以上のスクーターと並ぶとシフトチェンジのタイムロスで差を詰められることがあるが、発進、ギアチェンジにムキにならずに先行できるので良いかと(笑)シフトダウンも然りでショックが少ない。
唯一、1速から2速へだけギア抜けしやすいかなと。なので私は最近、発進時はE-Clutch、2速へはクラッチも使い、3〜6速はE-Clutchという乗り方をしている。(シフトダウンも同じ)
交差点で発進してすぐ曲がる時や停止する直前の時は、クラッチを切って空走とブレーキ調整で走った方がスムーズであり、そういうこともあって1速2速間はクラッチを使用している。また、のんびり走る時は、クラッチ握ってシフトアップ(ダウン)してすぐに繋げずにゆっくり繋げる(シフトショックを完全に殺す)とか、長い下り坂とかではクラッチを切り、空走させて燃費走行もできるなど、状況に合わせて両方の乗り方ができる優れモノだと思う。ノーマルとE-ClutchのWMTC値の0.2km/Lの差は、空走時間の違いだと想像している。

短所を少々。
・結構出っ張るので、右に倒した時が心配
・見た目、ノーマルエンジンから「付け足した」感が満載
・走行時はそうでもないが、停止時に右足を出すと、脛が当たる(大きな問題ではないが)
・ワイヤーが露出していて、将来錆びないのかなぁと見る度に気になる

機構としては十分に満足。後は経年での故障やコケた時の物理的耐久性だろうか。それはそうなったらお知らせします。
因みに「E-Clutch付きに乗るとクラッチ操作が下手になる」という声については、複数台所有でクラッチ付きを持っている方はその心配無いだろう。色々乗ってきた方は次にクラッチ付きを買っても少し乗れば元に戻るだろう。唯一、初めての一台がE-Clutchの方だが、今後は新車に限ってはクラッチは無くなっていくかと思われ、中古車・旧車に乗らなければ将来も問題ないのでは?。要はそうした声、懸念でE-Clutchを避けることはしなくて良いということである。


《CB650R インプレッション》

前車Vストローム1050・リッターバイクと比較しながらの内容でつらつらと。

●街乗り
 燃費20q/L
650tあるので何の不満もないが、これまで乗ってきた2気筒のようにギア固定でアクセル捻ればドカドカッといった加速感はない。ただひたすらスムーズにスムーズに加減速していく感じ。ズバズバと走りたいのであれば6000rpm以上維持で走っていれば可能だが、街中でイキった音を出し続けて走るのもどうかなと。
サイズは400t並みということもあり車線変更や細い道での取り回し、Uターンなどやりやすく、渋滞時の街乗りだけの使用はあまりしないが、そうなっても臆することなく使用できる。
頻繁にある停止時の足つきも、ブーツを履いていれば踵まで着くので(身長175p 股下79p)安定してできる。前述のE-Clutchのおかげで楽に走れるし、ホンダ特有のウィンカースイッチ位置もグロムの時にだいぶ慣れたので、ホーンと間違えることは無くなった(笑)
気温が25度を超えてきての街乗りは「熱ッ!」というレベルではないが、すぐにファンが回りだし、膝からくるぶしにかけて熱を感じる。Vストローム1050ではこれで夏は汗だくになったが、そこまでは行かない感じ。



●峠道 燃費22q/L
通い慣れた峠道を8割くらいの気合でいつも走っている。人生最速で走れたVストロームには立ち上がりの加速で劣るが、コーナーリングの安定感やストッピングはやはりロードスポーツバイクであるCB650Rに分がある。
四気筒ではあるが、これまで乗ってきた隼やゼファー1100とは違いミドルクラスの為、そのサウンドは重低音というより中音域のサウンド。回した時の「クウワーーーーンン」という甲高いサウンドを「高揚感」と捉えられれば良いのだが、個人的にはなんか「全力感」や「アピール感」を出しまくっている印象で、ネズミ捕りの方に(おっ、もうすぐ来るな)と気構えを早めに取らせてしまう危うさを感じる(笑)。
ハンドリングはニュートラルだが、少し気を抜くと微妙にアンダーステアな感じを受ける。個人的には弱オーバーステアが好きなのだが、まあそれはそれと意識して乗れば問題ない。S字や複合カーブはよく言われている「マスの集中化」に加え、重心位置がたぶん上の方にある印象の割にハンドリングが少し重たく、パタンパタンと倒れてくれる感じがしない。意識して加重を変えていく必要がある。
街乗り、ツーリングではやや硬めと感じるサスも峠では良い仕事をしてくれる。出荷時設定から柔目「2」に調整しているが、しっかりと路面に圧をかけてくれて、前述の通りコーナーリング時の安定性に貢献してくれている。

私はサーキットを走ったことが無いので、極限域での云々は語れないが、峠をまあまあのペースで走れる(自己卑下して「ヘタレ」とは書きませんよ)自分には十分な性能を有していると思う。が、リッターの時と同じ様に走るなら、やはり意識して回さざるを得なく、「頑張ってる感」の音を出してまでどうするかなと最近思っている。(それが速度抑制となって良いのかも)



●下道ツーリング 燃費25q/L
ノーマルでも姿勢に問題ないが、より楽にとハンドルだけアップスペーサーを入れた。
ステップ位置が少し高く、窮屈な印象を乗り始め感じるが、しばらく乗っていると気にならなくなる。ツーリングは燃費が気になるが、25q/L走ってくれるので計算上、個人的に及第点としている満タン350q以上をクリアし満足している。
下道ツーリングの時は回しても各ギア5000rpmくらいですかね。四気筒の心地よいサウンドと振動も無いスムーズな乗り心地は疲れを感じさせない。リッターだと、走っていてちょっと気になった風景やお店があっても、戻るのがめんどくさくてスルーしていたが、CB650Rだとそうでもなく戻れる。(XSR125ほどではないですが)感覚としては乗っていたW650と同じくらいで、そういう意味でもW650からの乗り換え車として適当だったと思われる。
400qくらい走ってからの帰りの渋滞がいつも憂鬱なのだが、前述の通りE-Clutchのおかげで余計な疲労を増さずに済むのと、ハンドル幅780oはすり抜け(超渋滞時で車は停止状態の時ですよ!)に余計な気を使わずに済むので助かっている。


●高速道 燃費23〜26q/L
新東名を使うことが多い私にはネイキッドというのはやや懸念していた部分である。だいたい110q/hくらいで巡行することが多いのだが、それで5100rpmくらいだろうか。Vストロームは4500rpmくらいだったと思うが、まあ排気量なりかなと。
6000rpmから脚と尻に細かく小さな棘のある微振動が始まる。この回転付近は法定+aの巡行で使用する範囲だが、気になるところである。7000rpm以上は追い越し時のみで一瞬使用+アドレナリン放出のためかあまり記憶に残っていないが、6000rpm以上を長時間維持して走るのは辛い。
6速ギヤ比を巡行用に設定しているバイクもあるが、CB650Rはそうでもなさそう。
110q/hくらいになると風がキツくなる。それでジビのスクリーンを付けたわけだが、風切り音が大きくなるものの風圧は収まり、かなり楽に走れるようになった。
昔はやんちゃした走り方をした時もあったが、今はもう巡行力に比重を置いている。もちろんVストのように楽ではないが、スクリーンをつけたことで及第点の走りはできていると思う。また、ジビのA660スクリーンだが、個人的には付けた方がカッコ良く見えるのは長年アドベンバイクを乗っていて目が慣れているからだろうか。

ETCは日本無線を選択。これはホンダ純正でも使われており、「ここにアンテナおいてね」と言わんばかりにヘッドライト上部にアンテナ置きスペースがあるのと、少なくとも2輪かん和光店ではメーターパネル内の「ETC」表示を追加工賃無しでやってもらえたので、日本無線製が宜しいかと思われる。

●メーターパネルについて
CB650Rには5インチのTFT液晶ディスプレイが設置されている。細かい所まで書かないが総じて見やすく、操作しやすい。メーター表示も三種類(実質は二種類)あって、好みの表示を選べる。トンネルに入った、出たと、周辺の明るさに合わせマメに照度変更してくれるし、E-Clutchはどのギアでも走ってくれる便利な機能だが、あまりギアが高すぎると「もっと低いギアにして」とお知らせしてくれます(無視しますが)。総じてなかなかに気の利いた働き者のメーターである。
表示メニューは必要な物は全て備わっている。と言いたいところだが、気温計が無い。アドベンバイクじゃないからしょうがないか。
燃料残量計は走行可能距離と切り替えができる。ただ、残り20qくらい?から表示しなくなるという無責任さに人間味を覚える。
スマホ連動は当初、「使わないよこんなの」と思っていたが、音楽メニューの再生、一時停止などを走りながらできるので使えば便利な機能。乗る前にいちいち設定するのが面倒だが。
俺は砲弾型じゃないと嫌だ、2眼じゃないと嫌だと言う方もいるかと思う。私もゼファー1100、W650に乗ってきたので気持ちはわかりますが、時代の流れと言うか、表示量、多機能性を考えるとやはり便利なメーターと感じる。


●お気に入りポイント
・なんと言っても価格。一応大型バイクでこれだけの性能に109万円はリーズナブル。ホンダさんこの調子でこれからもお願いします。
・エグゾーストパイプの並び。普通の取り回し方でも良いのだが、このバイクが唯一他の大型バイクと比較し、アピールでき得るポイントと捉える。
・黒と艶消しゴールドのカラーリングが渋くて素敵
 追記:但し全体的にマットな車体は洗車してもピカピカ感が無く、渋いけどいつもうすら汚れているように見える。
・長時間乗ってもお尻が痛くならない(尻によりますが)
・太いリアタイヤはリアビューが様になる。峠でも安心。但し交換時にはお金が飛びそう。
・シュラウド一体型チャンバー:400t並みのサイズ感だが、これがあることでボリューム感、マッチョ感が出て宜しい。
・レギュラーガソリン対応:いつもハイオク入れているが、リッター200円超えたら迷わずレギュラーに変更できる


●気になるポイント
・5000〜7000rpmでのアクセル閉じた時のドン付きが大きい。
・6000rmp以上での細かな振動←オイルを変えたら(一番高い物)無くなった。でも1リッターで4000円もした。これからもこのオイルでないとダメか。(しかし、しばらく走ったらまた元に戻った)
・ヘルメットホルダーが無い:もう最近のバイクは無いのが多いので普通か…。
・前シートがネジ止め:鍵の左右の回し方で前か後かを外せるようになりませんかね
・6000rmp以上回すと音がうるさい←もう、ここへ来て正直に書く。高揚感より迷惑感。もっと低音なら…。
・E-Clutch付き=大型初心者だと思われ、ナメてかかられる←イキったバイクが来るとクラッチ操作してます←小っちゃい男だ


●まとめ
細かく気になるポイントも上げたが、総じて大きな問題点(スペックだけでなく、ディメンション、質感含む)も無く、普通に乗っている分には十二分なバイクだと思う。ただ、6000rpm以上の領域で音や微振動、ドン付き感などが現れ、それでも95psのバイクなりの加速、速さを味わうためには、しっかり回さないと得られない所にリッターとは違う「一生懸命さ」を感じるところである。一方でリッターバイクを所有している間、大柄な欧州人二人乗り+荷物でアウトバーンを200q/h以上巡行を満たすための機能と、それによる重量増など、「オーバースペック+余分な重量」を常に背負ったまま日本人男が一人乗りで流れの遅い日本の道を走っていることに無駄を感じだし、最適解として650を選択したということもある。所々リッターバイクと比較したが、CB650R単体としては私の使い方に無駄が無く、問題も無い優等生なバイクだと思う。リッターと走っても頑張れば引き離されることはない。
優等生バイクは飽きやすいという話を聞くが、高次元での優等生ゆえに、こちらが面白さ、走りの優等生っぷりを引き出し切るのは簡単ではなく、このバイクに慣れれば慣れるほど新たな発見、信頼が生まれると思われ、当面、飽きは来ないのだろうと思っている。

またしばらく走ったら追記したく。

以上


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